総括:N-BOXが首位を堅持、前月比では全車種が大幅増
一般社団法人全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した2026年6月の軽自動車(乗用)通称名別新車販売ランキングによると、N-BOX(ホンダ)が19,527台(前年同月比120.9%)でベスト15の首位を維持した。前月(13,850台)比では141.0%と大きく伸びており、6月単月としては年間を通じても高水準の実績となった。
ランキング表全体を見ると、ベスト15の全車種が前月比で二桁〜四桁の増加を記録しており、5月から6月にかけて軽自動車市場全体が反動増の局面にあったことがうかがえる。
2026年6月 軽自動車(乗用)通称名別ランキング ベスト15
| 順位 | 車名 | メーカー | 本月 | 前年同月比 | 本年累計 | 前年累計比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | N-BOX | ホンダ | 19,527台 | 120.9% | 102,419台 | 99.0% |
| 2 | スペーシア | スズキ | 13,966台 | 118.9% | 83,229台 | 98.7% |
| 3 | タント | ダイハツ | 10,487台 | 93.4% | 62,419台 | 95.5% |
| 4 | ムーヴ | ダイハツ | 9,649台 | 75.6% | 63,272台 | 124.4% |
| 5 | ルークス | 日産 | 8,635台 | 142.4% | 53,173台 | 144.1% |
| 6 | ハスラー | スズキ | 8,026台 | 96.7% | 47,004台 | 99.6% |
| 7 | デリカミニ/eK | 三菱 | 5,697台 | 94.0% | 32,415台 | 112.0% |
| 8 | ワゴンR | スズキ | 5,107台 | 70.0% | 32,160台 | 83.6% |
| 9 | ミラ | ダイハツ | 4,995台 | 107.1% | 29,385台 | 100.2% |
| 10 | アルト | スズキ | 4,203台 | 83.9% | 25,742台 | 84.7% |
| 11 | デイズ | 日産 | 3,409台 | 97.4% | 21,583台 | 95.3% |
| 12 | タフト | ダイハツ | 2,919台 | 79.1% | 21,246台 | 76.3% |
| 13 | ジムニー | スズキ | 2,808台 | 70.9% | 15,974台 | 59.2% |
| 14 | エブリイワゴン | スズキ | 2,468台 | 159.1% | 11,915台 | 118.7% |
| 15 | N-ONE | ホンダ | 2,069台 | 218.5% | 9,571台 | 133.0% |
※通称名はメーカーごとに同一車名(アルト、ワゴンR、ミラ、ムーヴ、eK、ピクシスなど)を合算して集計。デリカミニ/eKにeKクロスEVは含まない。
ルークスとN-ONEが大きく躍進、ジムニーは前年割れが継続
順位変動の中で目立つのはルークス(日産)で、前年同月比142.4%・前年累計比144.1%と、ベスト15の中でもっとも高い伸び率を記録した。上半期累計でも5位につけており、モデルサイクル中盤としては異例の勢いを見せている。
N-ONE(ホンダ)は前年同月比218.5%と、ベスト15の中で最大の伸び率となった。後述する電動化の内訳データからも、BEV仕様の販売が急拡大していることが要因の一つとみられる。
一方、ジムニー(スズキ)は前年同月比70.9%、前年累計比59.2%と大きく前年を下回っており、ベスト15の中では最も落ち込みが大きい車種となった。ムーヴ(ダイハツ)・ワゴンR(スズキ)・タフト(ダイハツ)も前年同月比70%台にとどまっており、車種によって明暗が分かれる結果となった。
軽自動車の電動化動向:ルークスのHEV比率が急低下
全軽自協が公表する電動車(HEV・BEV)内訳データによると、2026年6月の軽自動車(乗用)電動車計は33,887台で、前年同月(41,552台)を下回った。個別車種では明暗が分かれており、注目すべき動きが2つある。
①ルークスのHEV販売が急減
2025年6月にはルークス販売6,063台の大半がHEV仕様(同月HEV販売6,063台)だったのに対し、2026年6月のHEV販売はわずか17台にとどまった。これは2025年10月29日発売の4代目フルモデルチェンジに伴い、従来搭載していたマイルドハイブリッドが廃止され、660ccのNA(自然吸気)とターボの2種類のみのラインナップに変更されたことが要因。軽自動車向けの独自技術「e-POWER」搭載も見送られており、当面は非電動パワートレインのみの展開となる。ルークス自体の総販売台数は8,635台(前年比142.4%)へと増加しているため車両人気自体は落ちておらず、駆動方式の構成だけが大きく様変わりした形だ。整備現場では入庫車両が旧型(HEV)か新型(非HEV)かの見極めが今まで以上に重要になる。
②N-ONE・eKクロスEV・サクラのBEVが急伸
軽EV3車種の急伸は、いずれもモデルチェンジ・改良のタイミングと一致している。日産サクラは2026年4月16日にビッグマイナーチェンジを発売しており、5月から6月にかけて新型の納車が本格化したことで、電動車内訳データ上も5月303台→6月1,913台と急伸した。三菱eKクロスEVは2026年6月18日に一部改良を発売しており、6月の販売急増(前月20台→297台)はこの改良発売と時期が重なる。ホンダN-ONE e:は2025年9月12日発売とまだ日が浅い新型軽EVで、生産・納車体制の拡大期にあることが5月352台→6月766台の伸びに反映されているとみられる。なお軽EVのCEV補助金額自体(最大58万円)は2026年も据え置きだが、4月からの評価基準見直しに伴う救済ルールにより、これら3車種を含む一部モデルは2026年末まで高水準の補助額を維持できる状態にあり、購入を後押しする一因になっている可能性はある。
2026年上半期(1〜6月)ランキング:N-WGNが15位に浮上
上半期累計では、単月ランキングと同じくN-BOXが102,419台(前年同期比99.0%)で首位を維持。2位はスペーシア(83,229台)、3位はムーヴ(63,272台、同124.4%)で、単月の3位タントを上回る上半期実績となった。
単月ランキングでは15位だったN-ONEは上半期累計では圏外となり、代わりにN-WGN(ホンダ)が11,623台(前年同期比81.0%)で15位に入った。N-ONEの急伸が6月単月に集中していることがうかがえる。
| 順位 | 車名 | メーカー | 本年累計 | 前年累計比 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | N-BOX | ホンダ | 102,419台 | 99.0% |
| 2 | スペーシア | スズキ | 83,229台 | 98.7% |
| 3 | ムーヴ | ダイハツ | 63,272台 | 124.4% |
| 4 | タント | ダイハツ | 62,419台 | 95.5% |
| 5 | ルークス | 日産 | 53,173台 | 144.1% |
| 6 | ハスラー | スズキ | 47,004台 | 99.6% |
| 7 | デリカミニ/eK | 三菱 | 32,415台 | 112.0% |
| 8 | ワゴンR | スズキ | 32,160台 | 83.6% |
| 9 | ミラ | ダイハツ | 29,385台 | 100.2% |
| 10 | アルト | スズキ | 25,742台 | 84.7% |
| 11 | デイズ | 日産 | 21,583台 | 95.3% |
| 12 | タフト | ダイハツ | 21,246台 | 76.3% |
| 13 | ジムニー | スズキ | 15,974台 | 59.2% |
| 14 | エブリイワゴン | スズキ | 11,915台 | 118.7% |
| 15 | N-WGN | ホンダ | 11,623台 | 81.0% |
整備業界が注目すべきポイント
①ルークスの新旧モデルで駆動方式が異なる点に注意
2025年10月のフルモデルチェンジでマイルドハイブリッドが廃止されたため、旧型(HEV)と新型(NA・ターボのみ)が混在する状況。入庫車両の年式確認が欠かせない。
②軽BEVの入庫増に備える
サクラ・eKクロスEVの改良、N-ONE e:の供給拡大により軽BEVの販売が伸びており、今後の車検・点検入庫でBEV対応の頻度が増えることが見込まれる。
③ジムニー・タフトなど前年割れ車種の背景を把握
販売減少が続く車種は納期改善や競合モデルへの乗り換えなど複数要因が考えられるため、担当エリアでの動向を注視したい。
出典:一般社団法人全国軽自動車協会連合会(全軽自協)「2026年06月 軽自動車通称名別新車販売速報(乗用車ベスト15)」「軽自動車通称名別新車販売速報 電動車内訳台数(乗用車)」(2026年7月発表)