社員に権限委譲を

自動車整備業の接客対応術50

マニュアルの国アメリカの百貨店ノードストロームでは、接客マニュアルに「あなたがお客様にとって良いと考えることをせよ」と一行あるだけだそうです。

従業員に権限を与えているのです。お客様の気に入ったスーツのサイズが合わない時、店員は近くのライバル店から購入していてまでも、お客様のために奉仕するそうです。こんなことが日本の百貨店で考えられるでしょうか。おそらく「お取り寄せになります。後日連絡しますので今日のところは」などとの対応が返ってくることでしょう。

また、価格交渉をすると「ちょっと上のものに聞いてきます」上のものがいないと「あいにく上の者が席を外しておりますので、後程おいで下さい」などと上の者に聞いてくるような対応は、顧客志向の考えではなく会社指向の考え方なのです。それはお客様と接した店員が考えていることは、もし誤った対応をすると上司に叱責され、ひいては会社に損失を与えると自分の評価はマイナスとなってしまう、だからお客様には悪いがしかたがないとの意識が働いているからです。

そこには、会社が損をしない仕組みがつくられていて、お客様が損をする仕組みが存在します。お客様が損するとは、欲しいものが欲しい時に手に入らず、場合によっては不愉快な気持ちをてにすることです。お客様と接する第一線には、お客様の要望に素早く応えられるだけの権限を与えなければなりません。

とりわけ、お客様の車に手を加えて満足を得るサービス業では第一線の対応一つで信頼関係が作られもし、壊されもするだけに思い切った権限委譲を進める必要が有ります。

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