資源マーケット情報 2020年5月

鉄スクラップ

 鉄スクラップの5月市場は、前半については、4月に引き続いて弱気ムードでの展開となっていたが、その後は、輸出市況の上昇から国内炉前価格も値上がりとなってきている。

 東京製鉄では、5月22日より全工場で炉前価格のトン当たり1,000円値上げがあり、田原工場は海上・陸上特級とも1万9,500円、岡山工場は海上・陸上特級とも1万8,500円、九州工場は海上・陸上特級とも1万8,500円、宇都宮工場は陸上特級1万9,500円となった。

 高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも1万7,500円としている。さらに5月27日、29日と田原工場で1,000円値上げ、その他の各工場で500円の値上げを続けている。

 5月末の炉前価格をみると、田原工場は海上・陸上特級とも2万1,500円、岡山工場は海上・陸上特級とも1万9,500円、九州工場は海上・陸上特級とも1万9,500円、宇都宮工場は陸上特級2万500円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも1万8,500円としている。

 アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の5月12日の輸出テンダーでは、落札価格は前月比1,824円値上がりの2万2,480円となっている。

 米国スクラップのトルコ向け輸出市況は、3月下旬にはCFR24ドル台にまで下落していたが、5月中旬にはCFR250ドル台まで上昇した。アメリカ国内では、5月中旬11日にコンポジットプライスは、16ドル62セント値上がり、202ドル62セントまで回復した。

 国内電炉メーカーでは、建設向けの小棒、形鋼はじめ鋼材の需要が低下してきており、これからも減産体制を継続していくものと見られてきている。

 

非鉄金属

 非鉄金属については、5月の銅地金価格は、小幅ながら回復局面が、続く状況が見られた。5月12日からは2万円上げて61万円とした。

 その後、5月15日には1万円下げて60万円となったが、5月20日より1万円上げて61万円とした。新型コロナウィルス感染に伴う世界経済の後退などから弱気ムードとなってきているが、経済活動の再開などのもと、市況は回復してきている。

[再生資源市場]

1.価格動向
  2019年3月ピーク 2020年1月 2020年2月
東京製鉄 35,000円 (3/6) 23,500円 (1/31) 20,000円 (2/13)
関鉄源輸出 34,010円 (3/12) 26,667円 (1/10) 22,751円 (2/12)
LME銅 6,328ドル (3/26) 5,779ドル (1/28) 5,657.5ドル (2/25)
国内銅 74万円 (3/26) 67万円 (1/28) 67万円 (2/25)
  2020年3月 2020年4月 2020年5月
東京製鉄 19,000円 (3/28) 18,500円 (4/11) 20,500円 (5/29)
関鉄源輸出 22,655円 (3/11) 20,656円 (4/9) 22,480円 (5/12)
LME銅 4,789.5ドル (3/25) 5,034ドル (4/23) 5,314ドル (5/20)
国内銅 58万円 (3/25) 59万円 (4/23) 61万円 (5/20)
2.鉄鋼
  2020年4月
粗鋼生産計 661万6,700トン (前年比 23.5%減)
転炉鋼 484万4,300トン (前年比 25.4%減)
電炉鋼 177万2,400トン (前年比 17.9%減)
小形棒鋼 65万8,600トン (前年比 8.5%減)
H形棒鋼 27万2,300トン (前年比 19.8%減)
4月新設住宅着工戸数 6万9,162戸   (前年比 12.9%減)
  2020年4月
粗鋼世界計 1億3,709万8,000トン (前年比 13.0%減)
中 国 8,503万3,000トン (前年比 0.2%増)
インド 313万7,000トン (前年比 65.2%減)
韓 国 550万トン (前年比 8.4%減)
台 湾 165万トン (前年比 16.3%減)
ベトナム 194万6,000トン (前年比 4.2%増)
トルコ 224万5,000トン (前年比 26.3%減)
アメリカ 496万8,000トン (前年比 32.5%減)
3.電炉製品
  東京製鉄(5/18)
異形棒鋼(D13~25) 55,000円 (前月比 横ばい)
 H形鋼(中巾) 76,000~82,000円 (前月比 横ばい)
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